研究概要 |
平成24年度は,23年度の模擬実験を元に,実用的な研削加工をすることで,研削屑の搬送等の、砥石の性能に関する研究を行った.具体的には,実研削に必要となる砥石の作製し,その砥石を利用して,切り屑の吸引評価実験を行った.次に,切りくずをSEM観察してから切りくずの形状の違いにより回収率への影響を調べた. 模擬試験ではアクリル板上に置いた研削屑を砥石に見立てたディスクに吸引する試験を行い,90%を超える回収率が可能であることを確認した.平成24年度はダイヤモンド粒子をアルミディスクの外周に電着した砥石を製作した.この砥石には側面から圧縮空気を押し込む穴,内部で負圧を発生するノズル,および砥石面から研削屑を吸引する穴が,砥石全周で36か所に設けてある. 実験では被加工材料を鋳鉄として実研削を行い,研削で除去された材料重量に対し,砥石排出口から回収された研削屑の重量の比を測定した.実験結果の回収率は50%程度に留まった.原因は砥石構造,研削屑の砥石表面への溶着などが考えられ,現在調査中である.砥石構造では圧縮空気の一部を加工点に吹き付け,MQL(極微量潤滑)の効果が期待できるものを作製中である.
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