(1) 可視化金型の改造による金型と樹脂材料との接触部分の拡大画像の取得 現有している金型を用いて、転写のメカニズムをどのような精度で可視化するかの方法をCADを用いて詳細に検討した。またその結果を用いて、金型改造のための設計を行い試作した。金型改造後は、まずはPS(ポリスチレン)などの透明材料を用いて、光量と焦点距離、シャッタ速度など良好な画像を取得するための最適条件の探索を行った。通常は固化すると透明ではなくなる結晶性材料(ポリプロピレンなど)を用いて同様の実験を行う。この際固化に伴い、光量が不足する恐れがあり、拡大倍率を変化させたり、シャッタ速度を変化させたりして最適な条件を見出しつつある。 (2) 上記で得られた画像の画像処理と転写メカニズムの考案・創出 このようにして得られた動画を1枚ごとの静止画に変換し、着目部分の固定境界(金型表面)と移動境界(樹脂材料表面)の時間変化による相対距離を求めている。この際、事前に実施した流動解析により得られた圧力分布・温度分布の時間変化との関連を考察する。この作業を繰り返すことにより、加工パターンへの転写に大きな影響を与える因子を見つけ出せる。 (3) 転写メカニズムを考慮に入れた熱変形解析モデルによる数値シミュレーション技術の構築 加工パターンへの転写に大きな影響を与える因子を見つけ出せれば、転写面への材料の熱変形(流動)挙動を有限要素法にて解析することができる。そこで本年度は境界面の相対関係を初期形状とし、温度、圧力の時間変化を、伝熱解析と変形解析を連成させながら解析を行った。
|