• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

射出成形によるプラスチック部品への表面転写プロセスの可視化とそのメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 22560122
研究機関金沢工業大学

研究代表者

山部 昌  金沢工業大学, 工学部, 教授 (70288265)

キーワード成形加工 / 射出形成 / 転写性 / 可視化 / 有限要素法 / 数値シミュレーション
研究概要

(1)可視化金型の改造による金型と樹脂材料との接触部分の拡大画像の取得
現有している金型を用いて、転写のメカニズムを昨年度見出した最適な条件のもとで、繰り返し実感を行った。具体的には透明材料を用いて最適な成形条件を見つけ出し、その条件下で可視化を行った。特に本年度接触部分の拡大部について、その画像取得に成功した。
(2)上記で得られた画像の画像処理と転写メカニズムの考案・創出
このようにして得られた動画を1枚ごとの静止画に変換し、着目部分の固定境界(金型表面)と移動境界(樹脂材料表面)の時間変化による相対距離を求めている。この際、事前に実施した流動解析により得られた圧力分布・温度分布の時間変化との関連を考察する。この結果、樹脂材料は接触部分を乗り越えて流動するものと考えられていたが、実際は接触部分に沿って流動することを明らかにすることができた。またこの現象は金型の凹凸度の違いにより、挙動が異なることも明らかにすることができた。さらに流動のみならず、材料の収縮も表面の転写性を左右する大きな因子となることが明らかになりつつある。
(3)転写メカニズムを考慮に入れた熱変形解析モデルによる数値シミュレーション技術の構築
加工パターンへの転写に大きな影響を与える因子を見つけ出せれば、転写面への材料の熱変形(流動)挙動を有限要素法にて解析することができる。そこで昨年度はさらに境界面の相対関係を初期形状とし、温度、圧力の時間変化を、伝熱解析と変形解析を連成させながら解析を行った。この変形解析についても、(2)で明らかにした材料の収縮性も考慮に入れるべく、解析技術の向上を図った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的は金型表面の凹凸度の変化による、射出成形現象の変化を定量的に把握し、そのメカニズムを明らかにすることである。その意味で、可視化による画像取得により、この目的を順調に達成しつつある。

今後の研究の推進方策

引き続き、金型鏡面の凹凸度を変化させた時の流動挙動の変化を可視化によって求めることとする。またこの現象のメカニズムをもとに、数値解析(有限要素法)により、ソリ変形現象の予測技術としてつなげていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 3次元樹脂流入CAE解析プログラムの開発-数値解析モデルの妥当性の確認・評価-2012

    • 著者名/発表者名
      山部昌
    • 雑誌名

      成形加工

      巻: 24 ページ: 97-105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of Anisotropic Thermal Expansion on Angular Deformation of Injection Molded L-Shaped Parts2011

    • 著者名/発表者名
      Masashi Yamabe
    • 雑誌名

      成形加工

      巻: 23 ページ: 235-241

    • 査読あり
  • [学会発表] 射出成形中におけるガラス繊維配向挙動の観察2011

    • 著者名/発表者名
      山部、田中、瀬戸
    • 学会等名
      (社)プラスチック成形加工学会シンポジア'11
    • 発表場所
      秋田大学
    • 年月日
      2011-10-14

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi