バイオフィルムは,細菌が固体表面上で増殖して細菌膜構造を形成した状態をいう.浄水システムでの適用例がすでにあり,さらなる応用として燃料電池や光合成促進など環境分野で期待できる. 通常,バイオフィルムは任意に形成されるため,バイオフィルムの実用的な高効率利用には所望形状や構造のバイオフィルムを得る必要があるが,現状ではバイオフィルム形成制御手法は十分には確立していない.本研究では,紅色光合成細菌を例に,微細表面凹凸形状を施した固体表面を用いることで,同細菌によるバイオフィルムの形成制御とその応用をめざした.本年度は昨年度までの成果をもとに,具体的には,培養基板材質選択,表面微細加工,紅色光合成細菌培養面の形成を実験的に検討や検証を行った.また,紅色光合成細菌による光合成実験として,昨年度までの検証を含め,実際の光合成実験や燃料電池化実験を実施し,培養面形成状態と光合成能力の関係を実験的に明らかにし,光合成能力の高効率化が図れる培養面形成状態を検討した.
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