研究課題
YAGレーザーを用いたシリコン基板上への照射実験では、ナノ微細構造の成長が確認された。最近、活発に報告されているレーザー照射によるナノ微細構造はフェムト秒レーザーを使った加工方法である。パルス幅の短いフェムト秒レーザーは、レーザー照射による熱変性が少ない加工方法として知られている。本研究で用いるYAGレーザーのパルス幅はナノ秒であり、レーザー照射部位は熱的過程を経て温度が上昇する。そこで有限要素法により、レーザー照射による時間依存温度分布を考察したところ、基板の一部は融点を超えて溶融していることが分かった。更に、ラマン測定による結晶性評価と原子間力顕微鏡によるナノ構造のサイズの観察から、ナノ構造成長には材料表面の溶融が必要であった。しかし、溶融部分全体にナノ構造が成長するのではなく、溶融した一部にのみ成長していた。レーザー出力を変えた実験結果を比較したところ、ナノ構造成長には溶融時間にしきい値(約6μ秒)があり、ある一定時間以上溶融した表面にのみ成長していることが分かった。
すべて 2011
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