研究概要 |
回転運動と直動運動を実現する二自由度モータについて,回転速度と直動位置を独立に制御するサーボ系の構築を目指し,サーボ性能を高める観点からのモータ形状の最適化を行うとともに,出力軸の回転角度と直動位置を同時にかつ非接触で検出するモータ内に内蔵可能なセンサを開発する.平成23年度は,二自由度モータに内蔵する回転角度・直動位置同時検出センサについて,ユニークかつ二自由度モータの特性に適した方法として,ロータ自体をセンサターゲットとする光学式の非接触検出法を開発し,検出精度の向上方法を考案し,試作二自由度モータに搭載してその性能を確認した.二自由度モータは,出力軸が回転しながら直動するので,既存のロータリーエンコーダと変位センサをモータ内部に搭載して,回転角度と軸方向変位を同時に計測することが難しい.当研究で開発したセンサの検出原理は,ロータの円筒表面に四色の印刷されたカラーセルをターゲットとして設け,このセンサターゲットに対し,緑色と赤色の異なる光源の光を当て,その反射光の強度を光電センサで検出するものである.各色のカラーセルの反射率は,照射光の波長(光源色)により異なるので,一方の光電センサ用には軸方向の目盛(縞模様),もう一方の光電センサ用にはこれと直交する目盛が形成され,回転方向と直動方向の位置を独立にかつ同時に検出することができる.このセンサで検出した二自由度モータ回転中および直動中のロータ回転角度および直動位置をコントローラーにフィードバックし,所望の性能(応答性,ロバスト性,制御精度など)で回転速度制御および直動位置制御を独立して行えることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に計画した二自由度モータへの内蔵センサの搭載,制御精度向上方法の確立,試作二自由度モータの制御性能・サーボ性能試験はすべて実施できており,成果が得られている.平成23年度末に予定していた平成23年度内容の成果公表は,平成24年度前半期で行う.
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に性能確認したセンサ内蔵型二自由度モータの回転速度・直動位置独立制御を,ロボットアームのエンドエフェクタなどに適用し,実用レベルでの諸課題の確認とその解決を行う.さらに,回転トルク・直動推力独立制御へ拡張し,多様な目的に応じたサーボ機構の確立を行う.
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