研究課題
本研究では,線経が10μm以下の超極細ワイヤーを用いて,極小のマイクロ機械要素と,これらを組み合わせたマイクロ機械システムを試作・開発する.併せて,試作したマイクロ機械要素とその機械システムが機構学的に成立すること,それらマイクロ機械要素の製造法を確立すること,また実用として活用できること,を理論的・実験的に明らかすることを研究の目的とした.H24年度は,マイクロねじの製作において,線径が20μmの超極細ワイヤーを,直径0.5mm以下のピンに密着巻き付けした後,プラズマで表面を洗浄し,ワイヤーとピンの狭窄部に,溶融させた半田を容易に浸漬させ,ワイヤーとピンを強固に半田接合することを試みた.しかし,接合の良否に差があり,この差は溶融半田の質的状態や,浸漬時の周囲の雰囲気によると考えられ,今後,最適な条件を見出したいと考えている.また,マイクロ曲がり歯かさ歯車の製作について,多数本のワイヤーを円錐軸に密着させて巻き付けるための幾何学的解析を行い,巻き線機を作り直し,マイクロ曲がり歯かさ歯車を容易に製作する方法を見出した.この外に,本年度は,①直径が0.31mmステンレスピンに,線径が0.21mmの錫メッキ銅線を螺旋状に巻き付けることで,翼径が0.74mmの軸流マイクロタービンを試作し,性能評価を行った.また,線経96μmのステンレス線105本と,同径の錫メッキ銅線31本をハニカム構造の六角形の頂点と中心に密着配列し,銅線を硝酸で溶解することで,孔径が96μm,深さ1mmのマイクロ多針フィルタを考案・試作した.さらに,H23年に製作したピッチ60μmのマイクロピッチラックとマイクロピッチ歯を尺取り虫方式で噛み合わせることで,ステージを精密に位置決めするマイクロ精密ステージの製作を行った.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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自動化推進
巻: Vol.41,No.2 ページ: p2, p3