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2012 年度 実績報告書

耐熱性を改善させた硬質炭素系トライボコーティングの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22560147
研究機関日本工業大学

研究代表者

渡部 修一  日本工業大学, 工学部, 教授 (60220886)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード耐熱性 / ナノ材料 / 微細構造 / トライボロジー / 材料加工・処理
研究概要

硬質炭素膜として認知されているDLC膜は多くの優れた特性を有することから、多くの分野で実用化を目指した開発が行われている。しかし、さらなる活用を狙った場合に、使用する環境によっては、例えば耐熱性の点で、その特性が十分に発揮できないといった課題が残されている。そこで、本申請研究はDLC膜の耐熱性改善に焦点を絞り、これまでに報告例の無い800℃と高温の温度環境下でも十分な性能、特にトライボコーティングとしての特性を発揮できる膜の開発を目的とする。これまで開発したSi-O系安定クラスタに加え、新たにSi-N系硬質クラスタを分散させるナノコンポジット膜の開発を中心に実施した。Si-N系クラスタの分散膜はSi-O系に比べより高硬度化が図れる可能性があり、耐摩耗性がより優れることが期待できる。得られた結果をまとめると以下のようになる。
(1)Si-O素添加DLCに関して
DLC膜の耐熱性に及ぼす膜中Siの効果を明らかにするために、原料ガス流量比の異なる条件で形成した膜の耐熱性をTG-DTAを用いて評価した。その結果、膜中にSi-Oを分散することによってDLC膜の耐熱性が向上するが、膜中にSiのみ含むDLC膜の場合は、大気中の加熱によってSiが優先的に酸化し、DLC膜としての特性が失われてしまうことがわかった。
(2) Si-N添加DLCに関して
C2H2-TMSおよびO2あるいはN2の混合ガスを用いたPBII-CVDによって形成した膜の耐熱性は、C2H2のみで形成した膜に比べ優れていることを明らかにした。特にC2H2-TMS-N2ガスを用いて形成したSi-N添加DLCが最も高い耐熱性を示し、適正な条件で形成した膜の耐熱性は700℃程度であった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The Comparison of Biocompatibilyty Properties between Ti Alloys and Fluorinated Diamond-like Carbon Films2012

    • 著者名/発表者名
      Chavin Jongwannasiri, Nutthanun Moolsradoo, Anak Khantachawana, Shuichi Watanabe
    • 雑誌名

      Advances in Materials Science and Engineering

      巻: Vol. 2012, Article ID 724126 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1155/2012/724126

    • 査読あり
  • [学会発表] PBII法によるDLC-Si-N膜の形成

    • 著者名/発表者名
      李 祥暉、遠藤 壮人、渡部 修一
    • 学会等名
      表面技術協会第126回講演大会
    • 発表場所
      室蘭工業大学
  • [学会発表] DLC膜の耐熱性改善

    • 著者名/発表者名
      李 祥暉、遠藤 壮人、渡部 修一
    • 学会等名
      ニューダイヤモンドフォーラム第26回ダイヤモンドシンポジウム
    • 発表場所
      青山学院大学
  • [学会発表] DLC-Si-N膜の高温摩擦特性

    • 著者名/発表者名
      遠藤 壮人、李 祥暉、渡部 修一
    • 学会等名
      表面技術協会第127回講演大会
    • 発表場所
      日本工業大学
  • [学会発表] 磁場援用マイクロ波プラズマCVD法を用いたDLC膜の形成とその機械的特性

    • 著者名/発表者名
      坂井 一紀、渡部 修一
    • 学会等名
      表面技術協会第127回講演大会
    • 発表場所
      日本工業大学

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公開日: 2014-07-24  

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