研究概要 |
本研究では,受動噴流制御に関しての実用化促進に向けた基礎研究として,流れの可視化実験による菱形角柱群管路内のポケット部に発生する渦と流出噴流場での拡散の変化に関する噴流現象の定量的把握解明を目的としている. 本研究での噴流については,既に流体工学的に興味ある自励振動噴流現象を明らかにしてきているように,二つの管路での交差角の違いで流れの特性が決定される交差流れを主流とするものである.従って実用化に向けては,管路内の角柱配列交差角を決めると,実験装置での流れの現象特性を推定できるので,目的の混合効能を支配すると考えられる対象機器の断面諸量と対象流体関係を設定・検討しなければならない. このような研究対象流れの把握や研究展開状況から本研究の初年度である今年度では,菱形角柱群管路内のポケット部の形状と流出噴流場での流れの変化を定量的に把握するための実験を開始した.既にポケット部の位置は,菱形角柱群管路内の4列目と6列目の両側壁側に設けることが決まっているので,その形状として矩形や円形のものを選び,菱形角柱群管路を製作した.さらに,流出方向の5列目以降の菱形頂角を30°~60°まで順次広げて行く漸角形菱形角柱群管路も製作した. その結果,トレーサ法によるポケット部での渦の可視化を行い,ポケット形状の違いによる渦の変化を明らかにした.また,流出噴流場での流れの横断方向における平均流速の変化率であるdV/dyの値を求め,噴流レイノルズ数に対するその値の定量的な変化を明らかにすることができた. なお,ピエゾメータによるポケット部での渦領域内における圧力の変化を時間の関係で測定ができず,次年度に実験計測を行うこととなった.
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