本研究の研究期間における主目的は、環不知火海における自然環境の保全と改善に寄与するために、不知火海の海流の調査方法を提供する事であり、小目標として(1)不知火海の海中の海流の流れをリアルタイムで計測すること、(2)定水深浮遊体およびをその実験水槽を開発すること、(3)一定水深の流れを考慮した不知火海の海流情報を提供すること、(4)大雨時に球磨川から流入する水の海中での影響を推定すること、の4つを掲げた。 平成22年度は、以下の研究実施計画に従って、一定水深の潮流を計測するために、定水深にとどまることができる浮遊体を試作して、その動作について検討した。 (1)準備段階として、模擬環境を提供する実験水槽を完成させた。 一定水深の模擬環境(水深に比例して増大する水圧および海面の波に対応した圧力変動)を作り出せる実験水槽(水深25mまでの模擬環境)を完成させた。 (2)定水深浮遊体を試作し、実験水槽において動作を確認した。 一定水深にとどまる機構をもつ浮遊体を試作し、実験水槽における動作確認を繰り返し実施した。並行して、海面浮遊時のGPSおよび通信機能についても検討を加えた。
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