三次元軸対称鈍頭物体の代表的な例として、レイノルズ数10万(代表長さは円柱直径)の円柱模型場合に、気流に平行時の抵抗係数を測定し、鈍頭物体の阻塞効果研究に資するため、平成22年度は細長比4の円柱模型の阻塞効果評価を行った。先ず、阻塞比を様々に変えられる模型を製作し、JAXAの60cm磁力支持天秤装置を用いて試験を実施した。また、平成23年度前期にも試験ができるように細長比2で阻塞比を変えられる模型を製作した。JAXAでの試験は、既に実施済みの予備試験結果を補強する予定のものであったが、磁力支持制御の調整に手間取り、予定数の試験を実施することができず、理論検討をする上で必要な阻塞比の中、2ケースの試験結果を得ることができた。予備試験では4ケースの試験結果が既に有るので、合計6ケースの試験結果を得ることができ、細長比4の場合の阻塞効果評価では、模型の大きさに伴う阻塞効果と先端部で剥離している場合の後流に伴う阻塞効果は、先端からの剥離領域中に模型が存在しているにもかかわらず、互いに独立な量として評価し、合算すると鈍頭物体の阻塞効果に近い量となる事が判った。但し、若干評価不足であることも判明した。しかし、未だ阻塞比4%付近で、阻塞比に対する干渉量の変化に非線形な挙動とみられる現象が観測されている。この付近の阻塞比の試験を更に追加して行うことが求められており、本研究遂行過程で補足試験を行う予定でいる。また、何故、模型の大きさに伴う阻塞効果と剥離による阻塞効果が互いに独立に取り扱っても、実際の阻塞効果を推定できるのかその理論的根拠について研究を進める予定でいる。
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