研究課題/領域番号 |
22560191
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 繁男 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (70272953)
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研究分担者 |
木綿 隆弘 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40225107)
小松 信義 金沢大学, 機械工学系, 助教 (20436827)
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キーワード | 凝固 / 対流熱伝達 / 相変化 / 自然対流 / 二重拡散 / 二成分系水溶液 / 傾斜機能材料 / 機能性材料 |
研究概要 |
合金系融液からの固相の析出は、種々の材料の製造や開発研究に必要とされる基幹的な工業技術である。そのプロセスは一般に極めて複雑であるが、特に固相成長速度の違いにより実に多様な組織を持つ合金固相が出現することが知られている。本研究は伝熱工学的手法に基礎を置いたアプローチにより、冷却面温度を能動的に制御し、固液界面における固相の成長速度、固液界面前方融液中の溶質濃度分布を変化させ、意図するミクロ・マクロ偏析組織の位置を自在に設計し発現させるための基礎技術確立を目的とするものである。本研究成果は新規な機能性複合材料開発のための革新的製造技術につながるものである。 (1)モデル実験(実験装置の製作と計測手法の確立)(木村、木綿) 初年度は、実験装置の製作と計測手法の確立を行った。ビデオおよび写真撮影により固相の成長速度と組織構造の観察や計測が行えることを確認した。昨年度は2成分系合金溶液からの凝固層の析出実験を行い、冷却面温度を制御することにより固相成長速度を制御する実験を実施した。 (2)冷却面温度変化が凝固速度に与える影響を計算する数値モデルの構築(木村、小松) 昨年度、境界固定法を用いた、二次元の数値コードを開発した。これを用いて固液界面直下の液相側の溶質濃度、温度が初期状態と固相成長速度とどのような関係を有するかについて検討した。その結果、初期濃度、初期レイリー数および固相成長速度が与えられたとき、液相側の溶質濃度と対流熱流束を予測できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一次元モデルを構築する上で固液界面近傍における溶質濃度、および対流熱伝達による熱流束を予測するのが難しく、詳細な二次元数値解析を行う必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
固相の成長速度が条件として与えられた時、それを実現するための冷却面温度を一次元モデルにより予測し、その温度制御により、実際に目的とした成長速度が得られるかを実験的に検証する。
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