研究概要 |
複雑な微細構造を有する多孔体内における燃焼現象を解明するための反応性流体力学に基づく数値解析手法を開発し,様々な燃焼現象に適用した数値計算結果を実験結果と比較検討することにより,その妥当性を検証することを目的としている.本年度の実施事項と成果は下記の通りである. 1. 多孔体内における燃焼現象の解明のための反応性流体力学に基づく数値解析手法の開発を進め,直角座標系に基づく計算格子での多孔体微細構造の乱数による生成手法,直角座標系に基づく計算格子での多孔体表面の認識と界面境界条件の設定手法を確立し,多孔体構造と界面境界条件の一般性のあるアルゴリズムの開発と計算コードへの組込みを行った. 2. 多孔体壁における触媒反応を含む表面反応や,高炭素燃料の燃焼反応の数値解析のために,市販の素反応解析ソフトウエアCHEMKIN-PROのライセンスを1年間分契約し,その解析方法を修得した. 3. 数値計算装置の整備のために,数値解析用の比較的高速な計算機を購入した.さらに,市販の数値解析結果の三次元グラフィック可視化ソフトウエアmicro-AVSと可視化用パソコンを購入し,可視化技術を改善した. 4. 数値計算速度のより一層の高速化を図るために,現有のオリジナルに開発したCPUコードのプログラムのGPU化を外部委託した.また,GPUコード用のパソコンを同時に購入した.まだ十分な高速化ができていないため,現在検討中である. 本年度はプログラム開発と数値計算装置の整備を行ったため,論文等として研究発表を行うことができなかった.今後は,上記4項のさらなる検討と,開発した数値解析手法の様々な多孔体における燃焼現象への適用と妥当性の検討を進め,研究発表を行う予定である。
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