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2010 年度 実績報告書

ナノ構造を利用したフォノン・電子の平均自由行程解析

研究課題

研究課題/領域番号 22560203
研究機関九州工業大学

研究代表者

宮崎 康次  九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70315159)

キーワード熱伝導 / 電気伝導 / フォノン / 電子 / エネルギー
研究概要

本年度は,SOIウエハのSiO_2層を犠牲層に利用し,Siの熱伝導率と電気伝導度を同時測定できる自立膜パターンを作製した.熱的に孤立した自立膜に電流を印加して自己発熱させ,平均温度上昇を測定することで熱伝導率を測定する手法で,カーボンナノチューブの熱伝導率測定に既に利用されている.大きさ1μm程度の矩形孔構造を設け,孔のないサンプルの測定結果と比較したところ,孔構造のあるサンプルの熱伝導率と電気伝導度がともに低下していた.電気伝導度は,充填率によって整理している従来のEuckenの式やRusselの式でよく低下を説明できた.一方で熱伝導率は,従来の式では説明できないほど大幅に低下していた.測定精度についての深い議論までできていないが,正しく測定できていれば,微細構造がSiの熱伝導率に与える影響として,熱を輸送するフォノンの平均自由行程を実験で得る手掛かりを得たことになる.測定精度については,今後温度測定の精度やデバイスにおける熱の漏れについて詳細に検討する
構造のある厚さ2μm程度の自立膜生成は,決して容易ではないものの,初年度で熱伝導率と電気伝導度を同時測定するデバイスの作製プロセスを一般的な微細加工プロセス(プラズマCVD,RIE,イオン注入,KOHによるウェットエッチング)で構築し,温度依存性(-190℃~室温)を含めた物性測定まで進められたことは,次年度以降の実施を考えるとその意義は大きい.この成果が先に指摘した熱物性測定の精度まで含めて議論できれば,微細構造を有する高効率エネルギー変換デバイスの熱設計に役に立つことはいうまでもない

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Impact on Thermal Conductivities of Nanostructured Bismuth Telluride Based Thin Films2011

    • 著者名/発表者名
      Saburo Tanaka, Koji Miyazaki, Masayuki Takashiri
    • 学会等名
      The 8th ASME-JSME Thermal Engineering Joint Conference
    • 発表場所
      米国 ホノルル
    • 年月日
      2011-03-15
  • [学会発表] Thermal conductivity of nano-porous materials2010

    • 著者名/発表者名
      Koji Miyazaki, Saburo Tanaka, Daisuke Nagai
    • 学会等名
      e-Therm 2010
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2010-12-15

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公開日: 2012-07-19  

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