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2011 年度 実績報告書

霜結晶生成機構の制御および結晶成長の抑制

研究課題

研究課題/領域番号 22560207
研究機関玉川大学

研究代表者

大久保 英敏  玉川大学, 工学部, 教授 (80152081)

キーワード結晶成長 / 省エネルギー / 熱工学 / エネルギー効率化 / 新エネルギー
研究概要

霜結晶の生成・成長機構を把握することを目的として,冷却面表面温度を変化させ,顕微鏡撮影を行った.さらに,冷却面表面性状を変化させることによって霜結晶の制御および抑制する方法を検討した.まず,冷却面表面をぬれ難くすることによって霜結晶の付着力を低減化できることが確認できた.しかし,ジェット除霜等の機械的な除霜が可能な程度の低減化は実現できないことも明らかとなった.次に,表面に0.1mm程度の微細な溝加工を施すことによって冷却面表面性状を変化させ,霜結晶の生成・成長機構の観察を行った.平成22年度に霜結晶が生成しない領域を実現することに成功し,その領域は全面積の50%であったが,平成23年度は格子状の溝加工を施すことによって,霜結晶が生成しない領域を75%まで拡大することに成功した.霜結晶の付着力を掻き取り力として評価した場合の測定値は,表面処理を施していない場合の値と比較して1/4程度にまで減少しており,機械的除霜が実現できる程度にまで霜層の掻き取り力を低減化することに成功したと考えている.観察結果に基づき,霜結晶の生成・成長機構をモデル化した.
着霜現象に影響を及ぼす因子として,空気温度の影響を検討した.プレハブ冷蔵庫を用いて空気温度の条件を広範囲に変化させ,実験値を取得するとともに,計算値と比較し,計算に用いたモデルが妥当であることを確認した.着霜現象に及ぼす冷却面表面性状の影響も実験的に検討した結果,微細な溝加工を施すことによって,霜層厚さ及び着霜量の低減化が確認できた.また,着霜時の熱移動量には顕著な変化がないことも確認できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

冷却面表面に微細な溝加工を施すことによって,霜結晶が実現しない領域があることを見出した.このような現象は,報告者らの知る限りでは見受けられない.今年度は,この領域を75%まで拡大することができ,霜結晶の生成機構を制御し,結晶成長を抑制することが可能になったと考えている.冷却面表面性状を変化させる方法として,冷却面表面のぬれ性を変化させる方法や自然界に存在する菌を利用する方法が検討されているが,本研究で得られた効果は確認できなかった.さらに,着霜現象を系統的に理解するために必要な測定結果も,冷却面温度が0℃から-40℃の領域では,ほぼ測定を終え,実験値と計算値との対応も良好であった.

今後の研究の推進方策

実用化に向けて,機械的除霜法の一つである空気噴流を用いたジェット除霜の有効性を確認する.さらに,寒冷地仕様のヒートポンプで利用可能な熱交換器への応用を検討する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自然対流下における着霜の低減化2011

    • 著者名/発表者名
      池本駿
    • 学会等名
      2011年度日本冷凍空調学会
    • 発表場所
      東京大学本郷キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2011-09-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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