研究概要 |
1リンク柔軟ロボットアームを基本構造とし,アーム先端のハンドからボールを投げる運動を実現する解析モデルを確立し,シミュレーションによって部材の弾性特性とボールの初速度の関係を調べた.シミュレーションの実現には,ボールを把持しているアームモデルと投球後にボールが離れたアームモデルを連続的に接続する必要がある.22年度の研究において,連続条件を満たす解析モデルを考案し,一連のシミュレーションが可能となった,効率的な投球動作の実現には,関節への入力トルクあるいはアーム動作の軌道の設計が必要となる.22年度は二つの正弦半波関数の組み合わせにより,テイクバックとスローイング動作を実現できる入力トルクパターンを採用し,実現可能な最大トルク値のもとでシミュレーションを実施した.そして,アームの剛性を変化させてボールの初速度を調べるシミュレーション結果より,入力トルクに応じた最適剛性値が存在することが分かった.さらに重力の影響を考慮した2リンクロボットアームの制御に関する研究を実施し,投球後の残留振動低減に有用な手法を検討した. 実験に関しては,22年度の補助金で導入したサーボモーターの動作確認を行った.この際,柔軟アームのひずみ測定が必要となることを想定して,実際に1リンク柔軟アームをモーターに取り付けて,動ひずみを計測する基礎実験を実施した.また,今後の実験において必要となる複合材料に関する調査を実施し,自作可能な材料による試作と振動特性の調査を実施した.さらに,ボール把持部の基本構造に関する検討を行い,把持ならびにボールのリリースを可能にするハンド機構の設計と使用部材の検討を行った.
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