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2010 年度 実績報告書

データ欠損を考慮した遠隔制御系設計

研究課題

研究課題/領域番号 22560220
研究機関大同大学

研究代表者

不破 勝彦  大同大学, 情報学部, 准教授 (70324481)

キーワードデータ欠損 / 遠隔制御系 / 空間分割 / 外乱抑制 / 零点配置
研究概要

本年度は「データ欠損が存在してもその影響を受けない遠隔制御系の実現」の目的に対して,制御量の動特性を決定付ける空間とその制御則について研究を進め,データ欠損を制御則に反映できる基本的な下地が整った。具体的には,(1)不確定なデータ欠損に対応できる入力空間の構築(2)その空間に基づく制御則の導出(3)制御則に基づいた実現アルゴリズムの開発,を計画していた。その成果を以下記述する。
(1) 入力空間の構築…空間の分割については,行列の上三角化の考え方を応用して実現することができた。さらに,欠損の影響が制御系へ現れない役割を演じるものは,システム固有のパラメータである零点であることを導いた。この点は今後の研究を進める上で重要な成果であると考えている。また,データ欠損に伴う影響度を零点の値によって定量的に評価することができるようになったことが意義深い。ただし,本年度は不確定さを十分に考慮することができていない。そこで,不確定さを外乱として捉えることで解決できないか検討し,その成果を平成22年電気関係学会東海支部連合大会で発表したが,来年度以降もさらに研究を進めたい。
(2) 制御則の導出…空間を分割するための制御則は,分割の個数,次元そして零点を指定することで求めることができた。ただし,零点は必ずしも希望の値を指定することができない場合もある。これは制御対象によっては制御不能である空間が存在してしまうことに起因することも解明された。これらの成果については,平成22年12月に電気学会論文誌Cにて発表した。
(3) 実現アルゴリズムの開発…上記の成果を具体的にアルゴリズムとして記述した。空間分割の定式化をプログラムとして表現できるようになったことが重要な成果であると考えている。
福島原発の数十年単位の復旧プロセスを鑑みると,遠隔制御系の開発と運用は緊急かつ重要な課題であるといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 位置型PID制御則を用いた多入力系の極零点配置に関する一考察2010

    • 著者名/発表者名
      不破勝彦、成清辰生、大羽達志
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 130巻 ページ: 2106-2117

    • DOI

      DOI:10.1541/ieejeiss.130.2106

    • 査読あり
  • [学会発表] 計測不可能な入力の推定機能をもつ最小次元状態推定器による外乱抑制制御2010

    • 著者名/発表者名
      不破勝彦、成清辰生、藤井隆雄
    • 学会等名
      平成22年度電気関係学会東海支部連合大会
    • 発表場所
      中部大学(愛知県)
    • 年月日
      2010-08-30
  • [学会発表] 外乱を考慮した生育アルゴリズムに関する一考察2010

    • 著者名/発表者名
      大塚文雄, 不破勝彦
    • 学会等名
      平成22年度電気関係学会東海支部連合大会
    • 発表場所
      中部大学(愛知県)
    • 年月日
      2010-08-30

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公開日: 2012-07-19  

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