研究課題/領域番号 |
22560224
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
有井 士郎 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80222751)
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研究分担者 |
片岡 英幸 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (00224436)
長谷川 賢作 鳥取大学, 医学部, 講師 (60252847)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 声帯 / 振動 / 呼気流速変動 / 発声 / 高速度撮影 / モデル |
研究概要 |
本研究の目的は,これまでの研究で得られた知見に基づき,声帯振動で引き起こされる呼気の噴流による渦輪が声門波を発生させることに着目してヒトの発声機構をモデル化し,その解明を行うことである.このため,本年度は,ヒトの発声時の声帯振動によって発生する呼気流速と圧力変動の測定実験と,実験装置による発声機構のモデル化実験に分けて実施した. ヒトでの研究は,声門直上およびその上方,仮声帯上部の喉頭蓋内およびその上方,咽頭部,で呼気流速と音圧測定を実施した.声帯振動の記録および計測位置を特定するために高速ビデオカメラでの記録も同時に実施した.これにより,音圧変動に影響を及ぼす呼気流速変動に関して以下の項目が明らかとなった.(1) 声門を通過した呼気流の流速は,声門からの距離が増加するとともに流速が低下し,特に,仮声帯上部から喉頭蓋内では急速に低下する.(2) 呼気流に含まれる高周波成分の割合は,声門からの距離が増加するとともに急速に低下し,声門上で25%程度含まれている高周波成分が,喉頭蓋内で約10%,喉頭蓋上の咽頭中部では約5% に低下する.これより,ヒトの発声に大きく影響を及ぼす呼気流速の変動は,声門直上から仮声帯の範囲で発生していることが明らかとなった. 実験装置による発声機構のモデル化は,発声時の呼気流の流れを最も単純化して再現したソレノイドバルブを用いた実験装置で実施した.実験結果より,再現した噴流には,声帯直上で観測された呼気流に含まれる,声帯開閉周期の流速変動に加え,数百Hzから数千Hzの流速変動が観測され,本装置でヒトの発声機構のモデル化が可能であることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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