研究概要 |
ボイラ,カス加熱器などの熱交換器では,カルマン渦とダクト内の音場の干渉により空力自励音と呼ばれる大音量の騒音が発生することがある. 本研究ではこの空力自励音の発生メカニズムを明らかにし、従来の対策であるバッフル板挿入の対策メカニズムを明確にするとともに、新しい対策として,ダクトの両側面に伸縮可能なゴム板を取り付けることを試みた.なぜならこれによりタクトへの送風時に自励音が発生したとき,ゴム板が振動することによって流れ直角方向の共鳴モードを抑えられるのではないかと考えたからであるこのゴム板の振動がタクト内の自励音にどのような影響を与えるかを実験により明らかにしていくとともに,伸縮によるゴム板の張力の変化が自励音に作用する影響についても検討した. 本研究において得られた結果は以下の通りである, 1.空力自励音の発生は渦が音場へ与える励振エネルギと音場が有する音響エネルギの大小で決定される。 2.バッフル板挿入の対策メカニズムは挿入により渦が音場へ与える励振エネルギが小さくなることが本質てある。 3.キャビティを有する複数管群の場合は渦が音場へ与える励振エネルギの総和として考慮する必要がある。 4.ゴム板に加わる張力が大きいほど,ダクト内の音響減衰比ζは小さくなる. 5.管群列数が少ないほど,高い張力のコム板ても空力自励音の抑制が可能となる. 6.過去の実験との比較から,ゴム板を設置することでダクト内の音響減衰比ζが大きくなり,空力自励音が抑制されるという推側が成り立つ.
|