研究課題/領域番号 |
22560229
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研究機関 | いわき明星大学 |
研究代表者 |
清水 信行 いわき明星大学, 科学技術学部, 教授 (10196529)
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キーワード | 運動力学 / 粘弾性体 / 衝撃応答 / 非線形モデル |
研究概要 |
粘弾性材料の衝撃特性を明らかにすることを目的に落錘試験機を製作して、試験を実施し、その特性を明らかにすることを目指し、次の内容を実施した。 (1)試験機器の製作を終了させ、予備実験を行った。一部不具合(落錘の保持部)が発見されたので、それを改良して、再度データ計測を行い、正常に作動することを確認した。これにより落錘試験機の完成をみた。この試験機の命である落錘を固定する支持棒が空気ベアリング中を、滑らかに落下するようにするため、多くの工夫を要した。棒は試験前にある高さに固定されている。この固定保持具が開く状態となり棒が落下する。この解放時にスムーズな動作をしないと、ガタによるノイズ等が入りやすくなる。この調整の改良に時間を要したが、これがうまくいって、装置としての完成をみた。(2)測定データの処理ソフトをMATLABで新に2本作成した。取得後コンピュータ内に格納されているデータのデータ処理項目は多岐に亘るが、その内、ヒステリシスループ作成、波形の時間方向シフトに関するMATLABソフトを作成した。(3)落錘試験機の実験のための仕様書と計画書を作成した。(4)粘弾性材料の落錘試験と3次元固体理論のよる応答の比較と解釈を行った。論文を国際会議に投稿し、発表した。 次年度は、完成した試験機により粘弾性材料(特にシリコーンゲル)の特性把握とこの試験を基にした分数階微分モデルへのあてはめを行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
粘弾性落錘試験機の開発とデータ計測システムの確立を平成23年度に完了する予定であった。ハードは製作が完了したが運転と予備試験がやや遅れた。その理由は平成23年10月にハードの一部に不具合が発見されたためで、これの修理に時間をとられた。しかし、平成24年5月迄の研究期間の延長が認められたことにより平成23年度の遅れはほぼ取り戻せた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は確立した試験システムにより粘弾性体に錘を落下させ、加速度と変位の同時刻波形計測し、別途進行中の分数微分を用いた新しい構成式のモデルの妥当性を評価する基礎データとする。平成24年度には当初の予定を十分に満足させられる見通しであり、実りある最終報告書の完成が見込まれる。
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