研究概要 |
本年度の目標は,刈払機を搭載する車体の開発と自律制御プログラムの開発である.まず,車体は車体中央で屈曲するアーティキュレート式車両と決定して,車体の設計,製作を行った.また,この車体に内蔵する制御装置についても,設計と製作を行い,配線を行うことで動作テストが行える段階となっている.刈払機のない状態でのロボット車両の外形は幅0.6m,長さ1.1m,高さ0.21mで,重量は19kgである.胴体中央部で屈曲するアーティキュレート式車両は前輪後輪逆相操舵車両と同等の旋回性能を持ち,屈曲部を剛にしてロール軸を設けることで凹凸路面への対応が可能で,操舵式に比べて構造が簡単で製作が容易である.なお,アーティキュレート式車両の軌道誘導は研究代表者が提案しているSSM(Sensor Steering Mechanism)方式の適用が可能である. 車体の開発に並行して,人間と共存する環境で目的地に安全に到達するための自律走行制御プログラムの開発を行った.刈払機を搭載した車両は除草を行う場所まで自律移動して,安全に刈払作業を行うことを目的としている.目的地まで自律移動するためには周囲の状況をセンサで認識し,決められた経路に沿って移動できることが求められる.そこで,つくばチャレンジ2010(*注)にSmart Dump IVで参加して,公道での走行制御プログラムの開発を行った.走行実験の場所はつくばエキスポセンター周辺の公道を利用したコースである.自律制御プログラムが目標とするレベルに到達したかどうかは本走行での走行結果で判断できる.つくばチャレンジ2010では68台が出走して,7台が完走しSmart Dump IVは7台のうちの1台となり,本年度の研究の目的をクリアしたと言える. *注http://WWW.ntf.or.jp/challenge/challenge10/
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