研究課題/領域番号 |
22560244
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
明 愛国 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (50239456)
|
キーワード | 水中ロボット / 生物模倣 / 柔軟体推進機構 / 柔軟体推進制御 |
研究概要 |
本研究は、生物の構造と運動を模倣する多機能高性能水中ロボットを開発することを目的とする。新しい人工筋肉材料である圧電繊維を水中ロボットの胴体やヒレなどの構造体に埋め込み、生物の構造と運動を模倣した高性能(多自由度運動、高速、高効率)水中ロボットを開発する。 本年度では、「胸ヒレ屈曲推進型のマンタの構造と駆動方法を参考にして、数種類のマンタ型ロボットの柔らかい構造体と駆動体について、運動のシミュレーションを行い、もっとも大きい運動を実現するマンタ型魚ロボットの構造体を選定した。これらの結果に基づいて実際にロボットの試作を行い、フォースゲージ、ハイスピードカメラを用いて構築した計測システムによりロボットの性能を評価した。駆動制御方法の検討を行い、魚ロボットの最大推力、・最大速度および魚類の高効率な運動の指標となるストローハル数について評価した結果、マンタと同程度のストローハル数を持ち、高速・高効率の推進運動を実現できていることが分かった。 また、昨年度に続き解析ツールANSYSを用いて圧電繊維と構造体材料(アラミド繊維、カーボン繊維など)からなる複合推進機構のシミュレーションモデルと方法の改善を行った。具体的に言うと、柔軟構造体の大変形を考慮して柔軟構造体と流体の連成解析を可能とした。これにより、魚に近い柔らかい構造体と分布アクチュエータを持つソフト水中ロボットの推進運動に関する定性的な解析が可能となり、水中ロボットの設計に指針を与えることができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボットの試作・実験・評価のほうは大きく進展している。シミュレーションによう解析は現在定性的な評価の段階にあるが、水中ロボットの設計には指針を与えることができる。
|
今後の研究の推進方策 |
ソフト水中ロボットに適した運動制御の方法を検討し、性能向上を行う。柔軟構造体と流体の定量的な連成解析が困難であるが、流体工学関係の研究者と連携を取り、解析・シミュレーショシのモデルと方法を改善し、ソフト水中ロボットの設計により多くの指針が得られるようにする。
|