研究課題
本研究は,昆虫などの小型生物の表面の構造と機能を規範とし,MEMS技術等を用いて,ロボットの表面部材に可動機構,センサ,制御回路,機能性マイクロ構造などを集積化し,折り曲げなどを利用して組み立てることにより,小型自律移動ロボットを開発することを目的としている.平成24年度は,昆虫の感覚毛を規範とした気流センサを開発し,ロボットの表面への実装を行った.コオロギなどの昆虫は,多数の感覚毛により周囲の気流の速度,加速度などを検知し,逃避行動を行っていることが知られている.個々の感覚毛は気流の有無に反応するon-off動作だけであるが,長さや方向の異なる多数の感覚毛が存在することによって,気流の強さ,向きなどを検知することが可能になる.このような昆虫の感覚毛を模倣し,MEMS技術により長さの異なる複数の梁構造を製作し,気流により梁がたわんで通電する接触スイッチ式のセンサを開発した.風洞実験により梁の長さと流速の関係を評価し,1.0〜3.5m/sの流速を検出可能であることを確認した.また,センサはフレキシブル基板上に製作されており,曲面上への貼り付けや折り曲げができるため,ロボットの表面部材として直接利用することが可能である.センサの有用性を調べるため,センサを既存ロボットの表面に装着し,周囲の風速を変えることでモータの回転速度が変化することを確認した.以上の成果,および昨年度までの超撥水表面,付着性表面を持つロボットの開発を通して,小型移動ロボットの表面に各種機能を集積化する技術が確立され,当初の目的を達成することができた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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