最終年度として、研究計画調書記載の項目①~⑤を完成させた。 ①昨年度対象作業に追加したベルトサンダによる磨き作業について、熟練作業者の作業動作観察、動作解析・分類整理を行い、実機作業の作動動作モジュールを作成した。これにより、本研究課題の二つの対象作業(卓上グラインダによる面取りとベルトサンダによる磨き)について、要求仕様から各種条件を設定し加工作業を行う、共通・定型化したロボット作業動作モジュールが作成された。 ②④⑤昨年度までに構築した、「工具、ワーク、その他、それぞれシステムを構成する物体に配置する情報は、その構成物の製造業者が知り得る、かつ取得できる情報のみとし、それぞれの製作者が製造段階において、RFIDタグを付与して情報を記載する」とのコンセプトに基づくロボットシステム(動作プログラム自動生成システム)の枠組み構成提案に従い、検証システムの設計・試作、基本動作確認、各情報の内容および配置場所の評価検証、改良検討を行った。工具を把持する作業形態や、ベルトサンダによる磨き作業も追加して評価を行った結果、提案した枠組み構成のシステムで、基本的な動作が行えることが確認されたが、システムが利用する情報には、作業現場におけるロボットや工具の設置位置など、製作者が製造段階において記載することが不可能な情報が含まれていることがわかり、不足情報の取得方法およびそれを含めたシステムの枠組み構成改良案を提案した。 ③タグ内に記載した情報の読み取りだけでなく、ワークに貼り付けた複数のRFIDタグの情報を読み取ったアンテナの各位置から、ワークの位置姿勢を取得する方法の提案について、評価検証装置を試作してその実機検証を行うとともに、提案する計測システムの精度解析を行った。また、計測精度を高めるための、高透磁率磁性材料と金属を利用した、タグリーダの読み取り範囲制御方法を提案した。
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