研究概要 |
平成23年度は,本課題に関連して主に2種類の研究課題を重点的に進めた.ひとつは,前年度に作成した多軸力覚センサを用いた微細作業システムによる実機実験である.もうひとつは,遠隔操作を前提としたネットワークエミュレータを用いた通信遅延システムに関する研究である.前者については,電子顕微鏡内で硬軟様々な試料を用いて押し込み力や摩擦力を計測すると共に,ハプティックデバイス(PHANToMOMNI)を介して操作者に提示される力を6軸力センサにより同時計測および比較を行うことで多軸力覚センサの実用性を評価した.後者については,「wlinee」というエミュレータソフトウェアを用いて通信遅延やフレームロスを人工的に発生させながら力覚フィードバック実験を試みた/本実験では1秒程度の遅延を与えながら単軸方向(Z軸)の計測実験を実施した.その結果,位置情報および力情報共にサーバ・クライアント間に指定通りの遅延環境を生成できることを確認した.なお遠隔操作系に関する海外との実機実験については,マレーシア工科大学・入工知能ロボット研究所のAdha Imam Cahyadi博士の協力を想定していたが,本人が母国インドネシアのガジャマダ大学に移動する等の事情から思うように進まなかった.
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