研究概要 |
(1)験(測定)者の操作性による信頼性・再現性の改善について実施した.その成果は次のとおりである.旧試作装置は計測部,制御・電源部と演算処理(PC)部の3部構成であったが計測部とPC部とのプラグインを実現し,実用化へのステップアップを目指した筋硬度計測装置を製作した.硬軟が異なる試料で試験した結果からは,機構または演算処理の不具合が発生しており解決の途上にある.筋硬度演算処理プログラムは,柔道整復師が診療時に利用できる修正プログラムを製作した.計測装置を含めた操作性や分かり易さなどの指摘を受け,改善しながら進めた. (2)触診との相関や触診の標準化および触診代用の開発について実施した.その成果は次のとおりである.肩こりを触診した自覚症状の硬軟グレードを試料に反転する調査として,大学のオープンキャンパス時に来場者の同意を得てアンケートと肩こりの計測を実施した.また,学外では2つの展示会場にて来場者の同意を得て,肩こりの計測を行った.延べ110名の結果から,高齢者は肩こりの度合いが高く,硬軟の自覚症状には個体差や心理的な側面が介在していた.肩こりの要因で多かったものは,仕事や勉強のストレス,仕事や勉強の姿勢,運動不足が上位であった.この調査結果を受けて,肩こりのこりの硬軟を触診した際に,これを代表する試料として9段階の硬軟グレードについて提案した.これは,先に示した肩こりの調査から得られた5段階に4段階を追加した.これにより,触診のグレードが数値化できた.生体には個体差があり,触診の曖昧さも完全には排除できないため,提案した試料の調整が必要になり7段階または5段階の検討も行った.
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