研究課題
次世代のクリーンエネルギー源としての太陽光エネルギーの高度利用を念頭に置いた[太陽光/太陽光励起レーザー/電気]エネルギー変換コンセプトを提言し、これを可能とする革新的な電磁流体力学(MHD)発電の実現を目的とした。平成22年度は、日本学術振興会平成21年度優秀若手研究者海外派遣事業の支援を受け、英国北アイルランドクイーンズ大学ベルファストプラズマ物理学センター客員シニアリサーチフェローとして、特に、レーザー誘起プラズマ、大気圧プラズマの物理化学特性を明らかにする理論的・実験的・数値計算的研究を行った。主なテーマは「ナノパルスレーザープラズマのアフターグロー挙動の解明」「磁気レンズをカップリングしたパルスレーザープラズマの電磁流体現象の解明」「バイオメディカル応用を念頭においた気相/液相プラズマの物理化学」「MHD発電機における発電流路形状の最適化」である。大気圧条件下で生成されるレーザー誘起プラズマの特性を把握することは、レーザー駆動MHD発電機を実現するために極めて重要である。しかしながら、従来、その物理化学特性の詳細を知ることは容易ではなかった。これは、作動ガス(主にヘリウム・アルゴンなどの希ガス)に微量の大気成分が混入するためである。この問題の解決に取り組み、わずか1ppmの空気(湿度をもつ通常の空気)を含む大気圧プラズマの物理化学特性を明らかにする数値計算コードを開発した。このことは、レーザー駆動MHD発電機を実現する上で極めて意義深い。また、ここで開発した数値計算コードは、レーザープラズマのみならず、広く大気圧プラズマ等の特性シミュレーションにも利用できるという汎用性を有している。このため、バイオメディカル応用を念頭においたプラズマ理工学研究への貢献も行った。
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IEEE 6^<th> Triennial Special Issue, Images in Plasma Science
巻: 39 ページ: 2940-2941
10.1109/TPS.2011.2158858
Journal of Physics D : Applied Physics
巻: (In press)