研究課題
高効率・長寿命の蛍光ランプ(FL)設計指針提示を目標として,様々なコイル形状やFL動作条件下でエミッター放出と電極温度の関係を実験的に明らかにし,また,FLの効率や寿命を数値シミュレーションで予測した.実験的には,レーザー誘起蛍光法によるエミッター粒子密度計測,及び熱放射スペクトル法による電極温度計測を行い,エミッター放出と電極温度の相関を解明した.その結果,放電電流,若しくは外部加熱電流によって電極のホットスポット温度を上昇させ,熱陰極グロー放電を維持すれば長寿命化が可能であるが,過度の加熱は発光効率が上昇する一方で短寿命化へと繋がる事を定量的に明らかにした.また,FL管径,内壁温度,及びガス種と圧力をパラメータとして,プラズマ陽光柱部分の電子温度,電子密度,及びHg紫外線の発光強度や発光効率等を出力できるシミュレーションを開発し,その高精度化を行った.これを用いて,雰囲気ガスをAr,及びKrとし,FL放電条件を変化させた場合の発光効率を,主に放電電流,及び放電電力をパラメータとして詳細に調べた.純Ar中におけるHg紫外線発光効率の放電電流,及び放電電力依存性は実験値と良く一致し,本シミュレーションの妥当性が示された.これらの研究を通じて,最適なFLの制御指数としてητを提案した.様々なFL動作条件で実験的に求めた寿命η,及びシミュレーションで求めた発光効率τから予測された最適動作条件は,それまで長時間をかけて経験的に開発してきた商業用FLの最適動作条件とほぼ一致しており,FLの設計指標としてητを用いることの妥当性が示された.さらに,陽光柱シミュレーションと昨年度行った電極温度分布からエミッター消費を予測する電極シミュレーションとを放電電流を媒介パラメータとしてコンバインし,ητを設計指標としたシステムが,高効率・長寿命なFL開発に有効である事が示唆された.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of the 13th International Symposium on the Science and Technology of Lighting (Troy, NY, USA, June 24-29, 2012)
巻: 1 ページ: pp. 83-84