(1) 熱電素子による発電の基礎特性 熱電素子発電について基礎特性の検討を行った。具体的にはシステム外への熱の流れが名極力ない理想的に近い条件下において温度差による発電効率や不可特性を測定した。高温側と低温側の組み合わせによって様々な状況が考えられるため、多くのパラメータについて実験を行う必要があるため、対応する実験を行った。基本的に熱電発電は高温側と低温側の温度差によって発電量が変化するが、絶対的な温度が何度かによっても発電効率が変化する。これは車両の電気機器の温度状態の違いによっても発電効率が変わることを意味する。今回、300度近い高温から-50度までの範囲で測定を行い、高温側と低温側の温度差が同じでも絶対温度が高いほど発電量が多いことを確認した。 (2) 熱電素子を多段接続する技術 熱電素子は1個あたりの発電電力が小さいため、多段接続して用いることが想定される。よって、素子を多段接続した際の安定性についても検証を行った。さらに接続方法についても直列、並列によって効率変動が起こることが考えら得るので、その点についても実験および検討を行った。その結果、複数の素子をモジュール化することにより、効率を若干向上させることができた。また、直列接続した場合、内部抵抗の影響が大きくなり、効率が低下することも確認できた。 (3) リニア振動発電装置のスケールモデルについての検討 自動車の走行時に発生する振動などスケールの違うモデルに適用するためのモデル化が必要となる。そこでスケール化のためのモデルを作成し解析を行った。そして実験装置で得た結果を対比しモデルの妥当性を確認した。 (4) 高性能永久磁石を用いた発電装置の製作 電気自動車での使用を想定し、高性能永久磁石を用いた発電装置の界磁部分を作成した。
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