研究課題
12パルス整流回路を用いた風力用IPMSGシステムを実際に構築して実験を行い,以下の成果を得た。埋め込み磁石動機発電機の回転速度と誘導起電力の間には、正比例の関係があるので、逆に発電機端子に接続される12パルス整流回路の直流出力電圧Vdcから回転速度を知ることができる。発電機のインダクタンスLd,Lqと12パルス整流回路変圧器の漏れリアクタンスがもたらす転流重なり現象、さらにそれら巻線の抵抗分のあるために、12パルス整流回路の直流出力電流Idcが増大するにつれてVdcは直線的に減少していく。この点を考慮して回転速度を推測する方法を導出した。そして、この推測された回転速度の3乗に比例して系統連系インバータの逆潮流電流を制御することで最大電力点追従制御(MPPT)を達成した。12パルス整流回路は11次、13次以降の高調波電流発生源であり、発電機側への進入による発電機寿命低下を防ぐためにLCフィルタを設置している。このLCフィルタには発電機の力率を調整することで、発電機の最大効率運転を実現する機能も持たせている。その際回転数変化により所要キャパシタCを切り替えることにより全運転速度域での最大効率運転を達成した。本方式が従来方式と比べてもっとも異なる点は、変換器前段の整流回路にPWMコンバータではなく、12パルス整流回路を使用している点である。その際DCリンク電圧Vdcは一定ではなく回転速度に比例して変動するが、電力変換効率は従来方式と比べて遜色はないことがわかった。
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IEEE Transactions on Industry Applications
巻: Vol.47, No.2 ページ: 893-900