研究課題/領域番号 |
22560298
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
藤井 雅治 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (00127911)
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キーワード | 有機半導体 / 導電性高分子 / ニューラルネットワーク / 電子デバイス / 電気電子材料 |
研究概要 |
電解重合法で作成されたニューロン型導電性高分子ネットワークにニューラルネットワークの機能を付加し素子としての基本特性を調べることを目的として得られた研究成果に箇条書きに示す。 1.溶液中に設置した導電性高分子のフィルムに対して第3電極を用いて重み制御を行い、その可能性を確認した。ネットワークの複雑さに伴う重み制御の困難さからPCを用いた制御方法について考察実験を行った。PCから制御できる基盤Arduinoを使うことを検討し、重み制御に用いることが可能なことを確かめた。Arduinoは現在幅広い分野で利用されているので、これを用いた素子開発についていろいろな可能性があるので単に受動的な素子としてでなく別の選択肢を持たせることができると期待される。 2.ニューラルネットワークでの非線形特性導入として導電性高分子のヘテロ接合の利用を検討してきたが、シナプス構造とその機能を模倣してもそれが可能であることが分かった。前シナプスと後シナプス部を含む回路をそれぞれ一次回路、二次回路として実験を行った。前シナプスに入る信号に応じて二次側の導電性高分子の導電率の制御が可能なことを確かめた。 3.この非線形構造を使って論理回路が作成できることを実験的に確かめた。これは従来の非線形特性とは異なり、ドーパントイオンそのものの放出と取り込みを行うので今回考察しているデバイスとは異なる動作原理の素子あるいは代替素子の作成が考えられることになり、大きな成果と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際のニューラルネットワーク作成のための教師信号を流すためにPCを用いた制御について実験考察を行った。論理回路についての考察を行うとともに、非線形接続部ではシナプス構造を持つものでも代用できることを確認しおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
導電性高分子ネットワークを作成し,各パス部の重みをPCからの信号を用いて制御し、適切な重み付けを行う。非線形特性をもつ複合導電性高分子フィルムを用いてシナプス部の機能についての実現方法について検討する。
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