現在まで作成されたInN結晶は電子過剰のn型半導体であり、その最低電子濃度は金属・絶縁体(モット)転移濃度の2×1017cm-3程度である。InNは電子濃度の減少と共に結晶性と移動度が向上し、モット転移近傍の電子濃度で移動度が最高になり、且つ超伝導相転移はHigh-Tc超伝導体に特徴的な形態に変わる。このようなInNの超伝導の原因として、InNを構成する元素の価電子であるInの4dとNの2s軌道が価電子帯において混成するため、伝導帯にs電子とd電子が作り出されるというメカニズムを提案し、磁気抵抗効果と磁気プラズマ反射の実験により確認した。
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