1 ZnOナノロッドの横方向電界放出現象を得るために、ナノロッドにセパレート性を持たせることが必携である。そのセパレート化については、レーザアブレーションを併用した減圧熱CVD法によるZnOナノロッド成長条件を検討したが、成長段階でセパレート性と垂直配向性を両立することは困難であった。そこで、スパッタエッチングによってセパレート性と垂直配向性を改善させることを検討した。その結果、垂直成長性がかなり劣るロッドに対してはその側面へのイオンビームエッチングにより消失させ、また垂直成長の良いロッドのみを残すことができ、垂直配向性の改善と共にセパレート化を達成できた。 2 ZnOナノロッドだけでも横方向の電界放出により紫外線のカソードルミネセンスが期待できるものであるが、さらなる電界放出特性の向上のために電子親和力が大きいZnSを、および可視光のカソードルミネセンスを得るために混晶ZnOSやZnOSeをコーティングした[ZnS]/[ZnOS or ZnOSe]/[ZnO]複合ナノロッドの作製を目指した。その前段階として、ZnOナノロッド上へのZnS、ZnOS、およびZnOSeの成長を試みた。ZnSは減圧熱CVD法により、またZnOS、およびZnOSeは減圧熱CVD法とZnSまたはZnSeターゲットを用いたレーザアブレーション法とを併用させた。ZnS成長の場合、CVD成長温度が450℃以上であるとコアであるZnOナノロッドの硫化が顕著であり、400℃以下で硫化はほぼ起きないことを明らかにした。ZnOS成長の場合も、コアであるZnOナノロッドの硫化してしまう問題があり、硫化が防げる400℃以下の成長温度ではSの組成比が大きい混晶ZnOSを得ることが困難であることがわかった。ZnOSeの場合はCVD成長温度が550℃までコアのZnOの変質は起きず、Seの組成比が大きい混晶ZnOSeが得られた。
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