研究課題
エネルギーデバイス用電極材料の開発を目指して,透過電子顕微鏡(TEM),高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)と画像処理,3次元透過電子顕微鏡(3D- TEM)および小角X線散乱法(SAXS)を用いて,グラフェン,グラフェンにより構成されたカップスタック型カーボンナノチューブ(CSCNT)とメソ孔活性炭の組織および構造解析を行った.CSCNTのPt微粒子の担持状況を3D-TEMにより観察し,CSCNTのチューブの外側と内側にあるPt粒子の数を測定した.担持されたPt粒子は,ほぼ半数ずつがCSCNTの外部と内部にあることがわかった.Pt粒子を抽出した2値化画像に2D-FFTを施すことによりPt粒子間の距離を20~30nmであると推定することができ,この結果は直接測定したPt粒子間距離とほぼ一致した.また,1000°Cで熱処理したPt粒子径の測定結果は平均は約5nmであった.この内外のPt粒子が触媒として利用可能であると考えられる.グラフェンのTEMによる構造解析のため,炭素材料に含まれるナノ構造の解析法を検討した.1800°Cで熱処理したコークスのHRTEM観察像に2次元高速フーリエ変換(2D-FFT)を施し,パワースペクトル(PWS)を得た.グラフェンの分子モデル作成し,これに2D-FFTを適用して得たPWSから,HRTEM像はbasal面に垂直な方向から観察したものであることがわかった.本手法を用いることにより,グラフェンの積層状態を分析できることが示された.3D-TEMにより,3次元的に均質な細孔が形成されていることが観察された.ここで用いたメソ孔活性炭は均一で異種物質の導入のために十分な広さがあり,ナノ空間利用において有用と考えられる.これらの実験結果からHRTEMと画像処理,SAXSを組み合わせた解析法は,材料のナノ構造解析に有効であることが示された.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
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