平成24年度の主な研究内容は平成23年度に設計・試作した65nm CMOS連想メモリ テストチップの実験的な解析と評価を行った。特別な注目を三つのプロパティ-に与えた。 (ア)検索結果の信頼性は非常に良いと確認した。エラーフリーの検索を、すべての検索ケースの場合、勝者パターンと入力パターンの距離150まで達成できた。最大の勝者パターンと入力パターンの距離及び最小の勝者パターンと敗者パターンの距離に対しても、低エラーレート1.6%以下を測定した。 (イ)最小の検索速度はビットあたり381fsになっている。これは以前に報告された最高のデータより一桁良いデータである。 (ウ)消費電力はビットあたり52pWより小さいになっている。これも以前に報告された最高のデータより一桁良いデータである。 更に、製造プロセスのプロセス コーナーで製造ばらつきによる効果の影響を評価した。検索速度と消費電力が変化MOSFET性能に応じて変化することが見出された。一方、検索の信頼性は典型的な製造プロセス条件下と比べてほぼ同じであった。使用される回路およびアーキテクチャのさらなる改善が必要ではないことがわかった。 また、デジタル連想メモリのために新たに考案したアプローチを更に改善及び実験的にテストした。このアプローチの実現可能性を検証することができた。プロジェクトの成果は、一流の国際会議(ESSCIRC)で報告された。
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