研究課題
一般に、導波管内にメタ・マテリアルなどの電気的、磁気的材料を挿入することで、導波管の特性を変化させることができる。このうち例えば、共振型のメタ・マテリアルは、共振周波数の近傍でしか特徴的な特性が得られない、すなわち周波数特性は狭いが、大きな透磁率あるいは負の透磁率が得られる。本研究では、メタ・マテリアルの構造の1つである Sort wire pair に焦点を当て、その作製の簡略化を図る。Sort wire pair の場合、共振周波数を変化させるには、wire の長さを変える、wire の太さを変える、pair 間の距離を変える、などの方法がある。そのため通常の方法でわずかに共振周波数を変化させようと思っても、新たなフォトマスクが必要になったり、あるいは厚さの異なる誘電体基板を用意しなければならない。通常、誘電率に影響を与える電気的共振と透磁率に影響を与える磁気的共振は別々の構造のメタ・マテリアルで構成する。今回は磁気的共振周波数を連続的に変化させるにあたり、フォトマスクを何種類も作製する必要が無く、また、基板も変えることなく、Sort wire pair の磁気的共振周波数を変化させる方法を紹介する。誘電体基板 Arlon 社Diclad880 (εr = 2.17, tan δ = 0.0009, 0.508 mm 厚)の両側に、幅0.1mm 長さ7mm 周期0.5mmで周期的に銅を貼付けWRI-100 (22.4mm×10.2mm)の導波管に入れると、磁気的共振周波数は約14GHz になる。次に同じフォトマスクを使用し、誘電体基板の両面に wire のパターンを合わせるときに、上下にずらすことで磁気的共振周波数を変えることができる。この場合、1.2mm ずらせると約 17GHz になり、およそ3GHz磁気的共振周波数を高くすることができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Electromagnetic Analysis and Applications
巻: Vol.5, No.4 ページ: 162 - 165
DOI:10.4236/jemaa.2013.54026