病室などの臭いや将来の燃料電池自動車の水素漏洩等をセンシングする弾性表面波(SAW: Surface Acoustic Wave)センサをセンサネットワークの一部として導入可能にする研究を行った。-40~80℃で動作するガレージ内使用等では、自己温度補償機能は必須である。また、電池1 ケで2~3年動作するセンサネットワークのセンサノードへ弾性表面波センサを搭載するには、センサ部の損失は極限まで低減する必要がある。本研究では、 (1)自己温度補償機能の実現で従来の水晶以外の圧電結晶基板の採用を可能にした。 (2)弾性表面波共振器をラチス型回路状に結線することで、自己温度補償機能を保ちながらセンサノードに導入可能な低損失特性を実現した。 (3)センシング感度の向上のため、ガス分子等との相互作用領域を等価的に拡大する 2重反射型の弾性表面波共振器を提案し、長遅延時間が得られることを示した。
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