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2011 年度 実績報告書

メタマテリアル超小型・周波数可変回路の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22560345
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

田中 愼一  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00556243)

キーワード周波数可変 / 共振器 / マイクロストリップ線路 / Q値 / MEMSスイッチ
研究概要

周波数可変容量を組み合わせたメタマテリアル回路を用いて人工的に波長を短縮し、また波長短縮率を外部制御することにより小型で周波数可変な共振器を実現することを提案している。今年度は、周期配列構造を用いた分布定数線路のSlow Wave効果により波長短縮を図り、共振器回路を50%短縮できることを確認した。Slow Wave線路を用いて共振器の小型化を図った例は提案者の知る限りにおいてはじめてであり、今後、分布定数線路を用いる低位相雑音発振器やフィルタの小型化に貢献することが期待される。検討した周期配列構造は特性インピーダンスを周期変化させるものであり厳密にはメタマテリアルの範疇ではないが、高周波の分散関係を変調させて波長短縮を図るという点において本研究課題において狙っているメタマテリアルの効果と本質的な差異はない。検討した構造は、MEMSスイッチを用いて容量を可変化する機構との親和性が高く、メタマテリアル構造と並行して来年度もこの方向で検討を進めて行く。
また今年度は、昨年度の検討において共振器回路のQ値が回路の小型化に伴って劣化する課題を受けて、その原因を究明し問題を回避するための設計指針を明確化した。具体的には、共振のQ値を決める減衰極周波数の回路小型化に伴う挙動を調べ、Q値変動は主として共振器と外部回路との結合係数の変化に起因するものであり、無負荷Q値を本質的に劣化させるものではないことを確認した。ただし、周期構造が無負荷Q値にどの程度影響を及ぼしているかという点については定量的な吟味が不足しており、これについては引き続き来年度も調べていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度当初、共振器の小型化に伴いQ値特性が劣化することがわかり、当初計画通りにプロジェクトを進める前に特性劣化の原因を究明しその対策を講じることを優先せざるを得なくなった。しかし、詳細に調査・検討を加えた結果、特性劣化が本質的なものではなく(無負荷Qの劣化ではなく)、共振器の小型化を図ると同時に結合係数が変化しない対策を講じることにより負荷Qを一定に保つことができることがわかった。この新たな知見については学会で発表した。

今後の研究の推進方策

今年度得られた知見をもとにQ値劣化を防ぐための対策を講じつつ、波長短縮を図った小型共振器回路を実現する。
波長短縮の手法としては、メタマテリアル(ε<0、μ<0)と周期構造(ε>0、μ>0)を比較検討し、実用化に向けた優位性の違いを見極める。本研究課題の実証回路として、小型共振器を適用した低位相雑音発振器を試作する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] High-Q Transmission Line Stub Resonators using Interdigital Capacitor Loading for MMIC Applications2012

    • 著者名/発表者名
      T.Katayose, M.Okunogi, K.Hosoya, S.Tanaka
    • 学会等名
      Progress in Electromagnetics Research Symposium 2012
    • 発表場所
      Kuala Lumpur, Malaysia
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] 櫛形キャパシタを装荷した小型ダブルスタブ共振器(1)-スタブ短縮効果と無負荷Qの評価-2012

    • 著者名/発表者名
      奥野木雅和、片寄孝雄、田中愼一
    • 学会等名
      電子時報通信学会総合大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2012-03-21
  • [学会発表] 櫛形キャパシタを装荷した小型ダブルスタブ共振器(2)-容量装荷が減衰極に及ぼす影響-2012

    • 著者名/発表者名
      片寄孝雄、奥野木雅和、田中愼一
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2012-03-21

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公開日: 2013-06-26  

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