研究課題
我々は炭素系ワイドバンドギャップ材料であるダイヤモンド等の低電界での電界電子放射が可能という特長を活かし,かつ電界放射電子源の製作プロセスの簡単化を検討してきた.我々はダイヤモンドのナノ粒子そのものを電界放射電子源として利用することを提案し,ダイヤモンド微粒子電界放射電子源の実験を進めてきた.申請の研究では,ダイヤモンドのナノ粒子を用いた低コストで低電圧動作が可能な電界放射電子源の開発を目的としている.電界放射に直接関係するダイヤモンド微粒子の仕事関数は,2.0eVと非常に小さく,低電圧での電界放射が可能であることが分かった.仕事関数の電圧依存性は,ショットキー効果による障壁低下よりもダイヤモンド表面からの電界の浸透効果による障壁低下が大きいことが分かった.また,超高真空中での熱処理により仕事関数は変化し,仕事関数が最低値となる適切な熱処理温度を見いだせた.この電界放射電子源の実用化のためには,微粒子と基板の密着化がキーポイントとなる.フォトレジストによるエッチング犠牲層と真空蒸着および無電解メッキを用いた方法を提案し実験を進めている.現在は基板へ密着させる微粒子の面密度等の制御が課題となっている.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
IEICE Tran. Electron
巻: Vol.E96-C,No.1 ページ: 132-134
10.1587/transele.E96.C.132