• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

匂いセンサと生物の嗅覚系を模倣した匂いセンシングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22560348
研究機関日本大学

研究代表者

斎藤 稔  日本大学, 文理学部, 教授 (20318330)

研究分担者 佐伯 勝敏  日本大学, 理工学部, 准教授 (60256807)
キーワードセンシング技術 / 嗅覚情報処理
研究概要

本研究では、人工的な有機材料であるフタロシアニンやトリエタノールアミンを感応膜とした安定性・信頼性に優れた匂いセンサの開発を行う。これまでに、爆発物検知装置への応用を目指し、爆薬から発生する成分に関するデータを分析して、それに適する匂いセンサの感応膜材料の選択、センサ素子構成の検討を行った。その結果、検出対象を爆薬から発生する窒素酸化物(NOx)とし、感応膜材料としてフタロシアニン、センサ素子構成として櫛形電極あるいはSAW(Surface Acoustic Wave)デバイスを用いることとした。そして、これらの匂いセンサがNOxに対してppbオーダーから応答することを確認した。平成23年度は、爆発物検知装置の実用化を視野に入れ、さらなる高感度化(pptオーダー)を試みた。そして、本匂いセンサの爆発物検知装置への応用の可能性が確認され、その実用化のための匂いセンシングシステムのプロトタイプを作製した。
また本研究では、生物の嗅覚機構に学び、様々な匂いに対する高い識別能力を実現することも試みる。これまでに、ナメクジ嗅覚系の生理実験を行い、ナメクジが匂い認識を行う際、嗅覚系において神経細胞の活動の同調性が変化し、それぞれの匂いに応じた特有の時空間活動パターンが形成されることが分かった。そして、その結果に基づいて、ナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークのハードウェアモデルを構築した。また、このようなナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークモデルに匂いセンサからの出力を入力できるような構成を考案した。さらに平成23年度は、ナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークモデルを匂いセンシングシステムのプロトタイプに搭載するため、そのIC化を可能とする回路構成を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

検出対象を爆薬から発生する窒素酸化物(NOx)とし、感応膜材料としてフタロシアニン、センサ素子構成として櫛形電極あるいはSAW(Surface Acoustic Wave)デバイスを用いることにより、本匂いセンサの爆発物検知装置への応用の可能性が確認され、その実用化のための匂いセンシングシステムのプロトタイプを作製するに至り、順調に研究は進展している。ナメクジ嗅覚系の生理実験を行い、ナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークのハードウェアモデルを構築したが、これに匂いセンサからの出力を入力し、それぞれの匂いによってどのような応答パターンを示すかを調べるまでに至っていない。

今後の研究の推進方策

爆発物検知装置以外にも汎用的に応用可能な匂いセンシングシステムの実現には、ナメクジ嗅覚系ニューラルネットワークのハードウェアモデルに匂いセンサからの出力を入力し、それぞれの匂いによってどのような応答パターンを示すかを調べることが必要である。それに適したハードウェアモデルの構築、IC化を可能とする回路構成の考案することが課題である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] 嗅覚中枢の振動パターンを生成するパルス形ハードウェアニューラルネットワークのIC化に対する検討2011

    • 著者名/発表者名
      齊藤健, 増本秀史, 内木場文男, 関根好文, 斎藤稔
    • 雑誌名

      電気学会研究会資料

      巻: ECT-11-101 ページ: 55-60

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The binding site for acute corticosterone effects on N-methyl-D-aspartate receptor-mediated Ca^<2+> signals in mouse hippocampal slices2011

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Osanai, Akiyoshi Suzuki, Yoshimasa Komatsuzaki, Hideo Mukai, Suguru Kawato, Minoru Saito
    • 雑誌名

      Journal of Biophysical Chemistry

      巻: Vol.2 ページ: 430-433

    • 査読あり
  • [学会発表] トリメチルアミン濃度検出用匂いセンサに対する検討2012

    • 著者名/発表者名
      浅井信ノ輔,金森洋介,佐伯勝敏,斎藤稔,関根好文
    • 学会等名
      2012年電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20120320-23
  • [学会発表] チャコウラナメクジ嗅覚神経系に見られる時空間活動パターンとその非線形解析2012

    • 著者名/発表者名
      浜崎雄太,斎藤稔
    • 学会等名
      日本生物物理学会関東地区研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120305-06
  • [学会発表] チャコウラナメクジ嗅覚系の電気的振動パターンのウェーブレット解析2011

    • 著者名/発表者名
      浜崎雄太,細井誠,小松崎良将,向井秀夫,斎藤稔
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20110914-17
  • [学会発表] ナメクジの嗅覚神経系モデルのためのパルス型ハードウェアニューラルネットワーク2011

    • 著者名/発表者名
      齊藤健,増本秀史,浜崎雄太,関根好文,斎藤稔
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20110914-17
  • [学会発表] モノアラガイの巨大ニューロンに見られる複雑な活動パターンとその膜電位イメージング2011

    • 著者名/発表者名
      細井誠,仲田正吾,小山内裕美,小松崎良将,向井秀夫,斎藤稔
    • 学会等名
      第20回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 発表場所
      千歳
    • 年月日
      20110831-0902
  • [学会発表] チャコウラナメクジ嗅覚神経系における時空間活動パターンの非線形解析2011

    • 著者名/発表者名
      浜崎雄太,斎藤稔
    • 学会等名
      第21回非線形反応と協同現象研究会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] 軟体動物モノアラガイの中枢神経節における時空間活動パターンの膜電位イメージング2011

    • 著者名/発表者名
      仲田正吾,細井誠,斎藤稔
    • 学会等名
      第21回非線形反応と協同現象研究会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] ナメクジ嗅覚中枢の振動パターンを生成するパルス形ハードウェアニューラルネットワークの検討2011

    • 著者名/発表者名
      増本秀史,齊藤健,斎藤稔
    • 学会等名
      第21回非線形反応と協同現象研究会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] 耐熱性酵素を用いた乳酸バイオセンサの開発2011

    • 著者名/発表者名
      市川麻衣, 山崎薫, 島崎亮, 斎藤稔
    • 学会等名
      第1回CSJ化学フェスタ
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-11-14
  • [学会発表] チャコウラナメクジ嗅覚神経節における神経活動パターンの膜電位イメージング2011

    • 著者名/発表者名
      浜崎雄太, 中川聡, 小山内裕美, 小松崎良将, 向井秀夫, 斎藤稔
    • 学会等名
      第20回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 発表場所
      千歳
    • 年月日
      2011-09-01
  • [学会発表] NMDA刺激によるマウス脳海馬のカルシウム信号に対するコルチコステロンの急性作用-レーザー共焦点イメージングによる解析2011

    • 著者名/発表者名
      金セワ, 島崎亮, 鈴木章義, 小山内裕美, 小松崎良将, 向井秀夫, 斎藤稔
    • 学会等名
      第20回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 発表場所
      千歳
    • 年月日
      2011-09-01

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi