研究課題
光直接記録方式による超高速・超高密度磁気記録システムを昨年度に引き続きシミュレーション設計し,主に磁気記録のロバスト性および記録時間短縮の観点からシステムを検証した。また,ナノアンテナを試作し,世界初のフェムト秒レーザによる磁気記録の実証実験に成功した。現行の磁気記録速度の10万倍,記録密度は2Tbit/inch2以上を実現するためにシミュレーション設計した光直接記録システムは,直線偏光のレーザから局所的な円偏光を生成する2組のナノアンテナ対と粒子状の記録媒体から構成した。磁気記録のロバスト性を検討するため,アンテナ位置と記録媒体の相対位置に関する検証を行った。密度が2Tbit/inch2を越えるように記録粒子を配置した場合,アンテナ位置を粒子中心から5nm以内に制御することで,記録を行う粒子にのみ局所的な円偏光を生成することが可能となる。更に,ナノアンテナのサイズ,局所的円偏光の生成時間,および電界強度の関係を検証し,新たな知見を得た。局所的円偏光を生成可能なアンテナの組合せのうち,2組のサイズ差が10nm程度の場合,粒子媒体内における電界を1V/m以上の高強度に保つことはできるが,円偏光の生成に約40fsかかる。一方,サイズ差が20nm以上と大きくなる組合せにおいては,円偏光の強度は減少するものの生成時間を半分程度に短縮でき,書込みの更なる高速化が期待できる。実証実験では,設計したナノアンテナを制作し,形状実現の観点からシミュレーションにフィードバックする体制を構築した。ナノアンテナは電子ビーム露光により試作を行い,近接場光を用いた世界初のフェムト秒レーザによる磁気記録実証実験に成功した。この実験により166 nm×120 nmの記録マークを実現し,次世代の超高速・高密度磁気記録に向け一連の検証を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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