研究概要 |
酸化亜鉛系トランジスタの高速性を評価するため,分子線結晶成長(MBE)法により作製した単結晶ZnO/ZnMgOヘテロ構造を利用してFETを作製し,高周波特性を評価した ヘテロ構造の室温での電子移動度と濃度はそれぞれ,180cm^2/Vsおよび1×10^<13>cm^<-2>であった.FETの構造は従来から高い静特性が得られるヘテロMIS構造を採用し,In/Auの合金層を用いたオーミック電極および高誘電率のHfO_2をゲート絶縁膜に用いたゲート電極を形成し,ゲート長1μmおよび2μmの素子を作製した ゲート長1μmの素子の伝達コンダクタンスは23mS/mmと高い値を示し,最大ドレイン電流は約6mAであった この素子の高周波特性を評価し,電流利得および電力利得の遮断周波数f_T, f_<max>を測定した その結果,f_Tとして1.75GHzを得ることに成功した.今後は,MBE法以外の工業的な方法で成膜した薄膜をチャネル層としたトランジスタを作製し,同様の評価を行うとともに,その高性能化を目指す
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