研究概要 |
本研究では,大規模災害時のような状況を考え,マルチホップ無線経路が構築できない程の劣悪な通信環境を想定し,このような状況においてエピデミック伝送により情報通信を行うことを考えている.孤立領域間の情報交換のため,孤立領域間を極稀に行き来する自由意志に従って移動するノードと,情報を運搬するために導入される特殊ノード(情報シャトル)を連係させ情報を運ばせるためのエピデミック無線伝送を開発する.エピデミック伝送の災害地に適した高度化,大規模災害時に孤立領域間での情報交換・共有を可能にする新しい無線伝送手法の開発を行う.平成23年度は主に下記の研究を行った. 1.昨年度に引き続き,情報シャトルと通常ノードが連携しながら,孤立領域間の情報交換を行うためのプロトコルの開発を行った.また,利用者の移動特性を最大限に利用するエピデミック伝送の基礎研究を行った. 2.昨年度に引き続き,情報シャトルのスケジューリングの検討を行い,スケジューリングの開発及び評価を行った.動的スケジューリングの基礎検討を行った.作成したシミュレータにより詳細に評価をしている. 3.孤立領域に支援物資を運搬する車両を情報シャトルとして利用してエピデミック伝送を行うことを考え基礎研究を実施した.この場合におけるスケジューリングに対する支援物資の運搬性能と情報共有性能を評価した.作成したシミュレータにより詳細に評価をしている. 4.昨年度に引き続き,エピデミック伝送やマルチホップ伝送の様々な理論評価を行った.大規模災害時における情報伝送を考え遅延時間等の理論解析を行い,様々な性質を明らかにした.
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