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2011 年度 実績報告書

光振幅位相変調方式に対する自己/相互位相変調効果の高速評価法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22560373
研究機関京都大学

研究代表者

乘松 誠司  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20303886)

キーワード情報通信工学 / 光ファイバ通信 / 振幅位相変調 / ファイバ非線形効果
研究概要

本研究は、光ファイバ通信において多波長帯利用による大容量化に関するものであり、特に近年研究が活発化している振幅位相変調(APSK)方式を対象とする。光ファイバ非線形効果の中でも劣化の主要因となる、自己/相互位相変調効果による当該方式の受ける伝送特性劣化を簡易に精度よく定量評価する方法を開発することを主な目的とする。また、受信方式としては、直接検波及びコヒーレント検波の両方を対象とする。信号の振幅変動及び位相変動によって生じる自己/相互位相変調効果を考えなければならない。さらに自己/相互位相変調効果による影響は、位相変動分だけでなく、強度変動分もあるため、これらも同時に考慮に入れていかなければならない。注意が必要であるのは、APSK方式では2種類以上の大きさの振幅を用いるため、振幅変化の影響は単純ではなく、強度変調方式やDPSK方式の検討結果を単純に組み合わせただけでは達成できないと予想される。このため、波形劣化に至る過程を詳細に調査する必要がある。上記のような観点から以下の項目に示したような結果が得られた。
・自己/相互位相変調効果の影響を導出できる近似法の検討や自己位相変調効果の影響を表現する手法の開発を進め、自己位相変調効果に関して長距離伝送の場合にも適用できるような方法が得られた。また、シミュレーションにおける逐次計算を省けるような近似を考案し、シミュレーションに比べ、DQPSKの場合の計算時間を7/100程度にすることが可能となった。
・SSF法で計算した伝送後の波形を入力とし、光/電気フィルタの影響を考慮に入れた、コヒーレント検波した場合の誤り率計算法が明らかとなった。また、これに関連し、多中継伝送路における光雑音の影響を導出する公式を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自己/相互位相変調効果の内、自己位相変調効果に関しては概ね満足できる結果が得られている。
また、受信方式に関しては、直接検波方式については概ね満足できる結果が得られ、コヒーレント検波方式についても結果が出つつある。

今後の研究の推進方策

昨年度、自己位相変調効果に関して長距離伝送の場合にも適用できるような方法が得られたが、これを相互位相変調効果にも適用できるように改良する必要がある。他チャネルの影響を線形に多重化する方法を検討する予定である。
また、コヒーレント検波した場合の誤り率計算法に関しては、位相に関する取扱いが近似的なものとなっているので、これを厳密な取扱いを行えるか検討を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 光子統計から光電子統計への変換について2012

    • 著者名/発表者名
      乗松誠司
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌

      巻: J95-B巻 ページ: 61-64

    • URL

      http://search.ieice.org/bin/summary.php?id=j95-b_1_61&category=B&year=2012&lang=J&abst=

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 擬似XPM雑音法の光4相差動位相変調/振幅位相変調方式への適用2012

    • 著者名/発表者名
      阿形直起
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌

      巻: J95-B ページ: 155-167

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 任意の入力光子統計に対する一般化した多中継伝送路の出力光子統計2011

    • 著者名/発表者名
      乗松誠司
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌

      巻: J94-B巻 ページ: 938-946

    • URL

      http://search.ieice.org/bin/summary.php?id=j94-b_8_938&category=B&year=2011&lang=J&abst=

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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