研究概要 |
・汎用の測定器による手のひら伝播信号による認証性能の検討 手のひら部分での伝播信号の取得に関して,以下の点について検討を行った 1.測定部位について 手のひらの大きさは,平均的な成人男性の場合,114mm×82mmである.ただし,親指や小指の付け根の部分は神経支配帯がありノイズが発生しやすい.よって,実際に測定に使用できるのは手のひら中央部だけとなる. 2.電極について これまでの前腕部での測定では,直径38mm(ゲル状パッド部分も含む)の電極を用いていたが,前述の通り電極が取り付けられる部分は非常に小さいものとなる.一方,電極を小さくすると接触抵抗が増す.しかしながら,受信側の入力インピーダンス(抵抗)が十分に大きい場合にはその問題は無視できることが分かった.また,電極の形状については,平板電極は上述のとおり大きさの面で適さず,皮膚との接触の面でも問題が生じる.それに対し,棒状の電極であれば,接触部分の面積を小さくでき,比較的安定した接触が実現できる. なお,10月末の交付内定であったため,汎用の測定器による認証性能の評価や専用測定器の作成には至らなかった.これらは来年度引き続き実施する.
|