研究課題
・手のひら伝播信号のデータベースの作成:昨年度作成した専用測定器の内,比較的認証性能が良かった2つのものについて,今年度は11名の被験者による測定を追加し,合計32名の手のひら伝播信号データベースを作成した.・認証性能の改善:昨年度作成した専用測定器により測定した手のひら伝播信号を用いて認証性能を評価した結果,電極の接触状態や手のひらの大きさの違いによる影響などが十分に検討できていないことが分かった.そこで,棒状電極とすることで確かな接触状態を確保し,手のひらの大きさによる違いを吸収するために大きさの異なる3つの測定器を作成,さらにガイドの有無による影響を調べるために両方のタイプを用意し,合計6つの新しい専用測定器を作成した.そして,これらの測定器を用いて11名の被験者を用いて伝搬信号の測定を行った.結果として,棒状電極とし,手のひらの大きさに合わせ,ガイドを用いる方が,識別性能が向上することを確認した.ただし,被験者が11名であるため,その結果に関する信頼性については十分ではない.・認証LSIの開発:特徴抽出処理と照合処理の部分(認証エンジン)をLSI化するため,高速AD/DA変換機能を備えた汎用のFPGAボードを購入した.ただし,認証性能改善のために測定器を新たに作成し,測定を行ったため,認証LSIの開発に取りかかる時期が遅れた.そのため,現在は開発環境を構築しているところである.
3: やや遅れている
昨年度に専用測定器を作成したが,認証性能を検証した結果,測定器の改良が必要であることが判明した.そのため,今年度は,新たな測定器を作成して評価する必要があった.そのため,認証LSIの開発に遅れが生じた.
遅れ気味の状況ではあるが,研究計画を変更する程ではない.来年度の計画では今年度十分にできなかった認証LSIの開発を含めてスタンドアロン型認証システムの開発を行う.
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Proc. of International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications (ITC-CSCC2012)
巻: 1 ページ: 1-4
電子情報通信学会第1回バイオメトリクス研究会資料
巻: 1 ページ: 39-44
第2回バイオメトリクスと認識・認証シンポジウム予稿集
巻: 1 ページ: 73-79