生体内位置検出技術に関する検討 磁界検出測定のための実験系を自作し、電磁シールドルーム内において、2次元平面の原点に配置した磁界発生源のコイルを1kHz程度の正弦波交流信号で駆動し、同平面上に配置した磁気センサを用いて、原点から距離を変化させたときの磁界強度を2軸データとして取得した。一方、磁気ダイポールモーメントによる磁束密度と隔離距離の関係に着目して理論検討を行い、3次元空間における多点観測により磁気発生源の位置を算出することが可能であることを示した。測定データを用いて位置を割り出すときの精度(距離検出誤差、角度検出誤差)について、理論検討結果との対比により検討した。以上の実験的・理論的検討結果をまとめて論文化し、医療工学関連の国際会議(IEEE Complex Medical Engineering:CME2011)において口頭発表した。また、測定上の課題把握にも努めた結果、磁界発生源からの距離が大きい領域では検出精度が悪くなることから、可能な限り高感度磁気センサの導入が必要であることが判明した。 生体通信制御信号伝送技術に関する検討 生体インピーダンスの整合に基づく高効率信号伝送に関連する基本事項として、インピーダンス測定の概要、測定精度などについての技術調査と併せてME機器に使用される電極等の必要な部品類を調達し、スペクトルアナライザを用いた測定に着手したが、詳細なデータ取得については次年度以降に行うこととした。
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