研究分担者 |
村本 充 苫小牧工業高等専門学校, 文系・理系総合学科, 准教授 (30353220)
小川 恭孝 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70125293)
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
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研究概要 |
近年の移動体通信の発展は目覚しく,携帯電話等の普及は著しい.第3世代以降の携帯電話や高度道路交通システム(ITS)などの高度なシステムを実現する上で電波の反射・回折・散乱による多重波伝搬環境を把握することが重要となっている.また,不法電波の探知においても電波の到来方向推定技術が利用されている.本研究では,メタヒューリスティックスを用いて高分解能な多重波伝搬推定を実現することを目的としている. 本年度は,メタヒューリスティックスの一手法である遺伝的アルゴリズムを用いた到来方向推定の推定精度についての検討を行った.遺伝的アルゴリズムを用いた場合の問題点の一つとして演算量の大きさが挙げられ,実用化にむけて演算量の削減は避けて通れない問題となる.そこで遺伝的アルゴリズムのパラメータに注目し,個体数,世代数,交叉率,突然変異率などを変化させながら推定精度や演算量について,計算機シミュレーションにより検討を行った.また,交叉の手法についても平均交叉,算術交叉,BLX-alphaなど変更し,推定精度,演算量について考察を行った. さらに,従来のMUSIC法などの到来方向推定は波源が遠方にあり平面波が入射することを前提に考えられているため,波源が近傍にある場合には入射波は球面波となり推定精度に劣化が生じることになる.本年度は,球面波が入射した場合の従来法での推定精度の検討,従来法で球面波の到来方向を推定するための改良を行った.さらに,遺伝的アルゴリズムを用いた球面波の到来方向推定手法について検討し,計算機シミュレーションによりその有効性を明らかにした.
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