平成22年度は、本研究を実行するための改良形GMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムの開発を行った。GMIDH-typeニューラルネットワークは以下のような機能を備えている。 (1)最適な画像特徴量(入力変数)の自己選択機能 マルチスライスCTやMRI装置から得られた3次元画像は、それぞれの装置によって医用画像の画質が大きく具なる。また、対象となる臓器によって医用画像の特徴が大きく異なる。このために、精度の良い画像認識精度を得るためには、対象となる医用画像の種類に最も適した画像特徴量を自己選択することが重要である。このため、ニューラルネットワークスに、対象となる医用画像の特徴に最も適した画像特徴量を自己選択させる機能を持たせた。 (2)最適なニューラルネットワークス構造の自己選択機能 精度の良い画像認識精度を得るためには、対象となる医用画像の特徴に最も適したニューラルネットワークスの構造を自己組織化する必要がある。このため、GMDH-typeニューラルネットワークスに、対象となる医用画像の特徴に最も適したニューラルネットワークス構造を自己選択させる機能を持たせた。 (3)アルゴリズムの高精度化 GMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムは、進化的計算方法の一種である発見的自己組織化法を用いて多層構造をした人工ニューラルネットワークを構成している。このためニューロンの組み合わせを行うことにより、新しい性質を備えたニューロンを発生させており、このような組み合わせを重ねていくと、統計学上の多重共線性という状態が起こりやすくなりニューラルネットワークの状態が不安定化しやすくなる。本研究では、主成分分析の手法を応用して、GMDH-typeニューラルネットワークスのアルゴリズムの改良を行い、アルゴリズムの安定化と高精度化を試みた。 次年度では、これらの機能を備えた改良形アルゴリズムを組み込んだ3次元医用画像診断支援システムを開発する。
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