研究課題
平成22年度と平成23年度で開発した、医用画像診断支援システムを用いて、胸部マルチスライスCT画像を用いた肺癌の医用画像診断を行った。この医用画像診断支援システムは、(1)最適な画像特徴量(入力変数)の自己選択機能、(2)最適なニューラルネットワーク構造の自己選択機能などの機能を備えているため、対象となる胸部のマルチスライスCT画像の特徴に最も適したニューラルネットワーク構造を自己組織できる。また、従来のGMDH法の計算過程で問題になっていた多重共線性の発生を防ぐために学習アルゴリズムに主成分分析と回帰分析を適用しており、予測誤差の小さな高精度で安定なウエイトの推定が可能になった。本研究で開発した人工ニューラルネットワークのアルゴリズムは、多層構造型GMDH-typeニューラルネットワークアルゴリズムと、フィードバックループを備えたフィードバックGMDH-typeニューラルネットワークスの2種類に分類できる。本年度は、これらの開発したGMDH-typeニューラルネットワークのアルゴリズムを組み込んだ医用画像診断支援システムを、胸部マルチスライスCT画像に適用して、肺癌の医用画像診断を複数の症例に対して行い肺癌の領域抽出を行った。そして、いろいろな症例に適用することにより問題点を抽出して、これらの問題点を克服するようにアルゴリズムの改良を行い、より実用的な医用画像診断支援システムの開発を行った。本研究で開発した人工ニューラルネットワークのアルゴリズムは、汎用性が非常に高く、胸部マルチスライスCT画像以外の他の医用画像の解析に対しても十分有効であると考えられるので、今後も本研究を続けていく予定である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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